それそろ公務員のキャリアのリスクについて話しますね
皆さん、こんばんわ。
本日は公務員のキャリアのリスクについて話したいと思います。
何故、今回この話しをしたいかというと、学生の就職相談に乗っていると、
「公務員は安定している」とよく聞きますが、大きな勘違いをしているなと感じたため書こうと思いました。
学生がそう思うのは残業が少なく土日休みがしっかりしていたり、給料も会社業績や個人業績の影響を受けないで、ノルマもないと言うイメージがあるからだと思います(この時点で間違っている気もしますが)
非の打ち所のない仕事のように考えている方がいるのですが、年間300人のキャリア相談に乗っていると公務員こそリスクモンスターの仕事だと考えています。
何故、リスクモンスターかと言うと下記のような理由があります。
【1】公務員キャリア3つのリスク
1:転職が非常に難しい
転職市場において、公務員の市場価値が高くないため、現職の仕事を評価されステップアップやキャリアチェンジの転職が難しかったりします。縦割りの環境や発展性のない仕事に不満を感じ、転職したいと思う人が一定数いるのですが、企業側や転職エージェントでも公務員の方は引き受けるのを躊躇する方がいたりします。その理由については下記理由があります。
①自発的に仕事を取り組んだ経験が少ない
公務員の仕事の多くは「やりたい仕事」ではなく、「やらなければいけない仕事」が圧倒的に多いです。そのため、自ら考え、自ら行動し、自ら振り返る事があまりないため、民間で評価されるのが難しかったりします。過去に相談に来た方でも何故その仕事に取り組んだ?と質問してみると、「それが決まりだから」「上司に言われたから」という回答が多く自発的な仕事を行った経験が見えにくいというのがあります。
②公務員を選んだ事による安定志向のイメージが拭えない
最初に公務員を選んだキャリア選択は面接官の心情的にマイナスに働く事が多いです。人事の方や人材紹介の会社の方に聞いてみると、新卒の時に公務員が安定しているから入社した保守的な方だと感じてしまい、公務員の人を積極的に採用する気にはなれないとおっしゃる方も複数人いました。この方達がおっしゃる気持ちもわかります。確かに面接において、公務員を選んだ理由は過去の相談者達はほとんどが保守的な理由でした。保守的な思考は転職ではマイナスに働く事がほとんどなので面接が突破できずに、理由を捏造しても整合性が取れなくなり結局突破できないという状態になったりします。
③市場価値と条件が折り合わない
公務員の方の市場価値は高くないのに条件を落としたくないという人は転職が難しかったりします。転職というのは、自身のやりたい事と世の中の市場価値が擦り合う事でマッチングします。しかし、公務員の方の現職の条件でやりたい事を主張してしまうと、市場価値とマッチングがおこらないため転職する事が難しいです。
④ビジネス観点が抜けている
企業に属している人は売上、利益等の数字を意識して活動している方が多いです。その中で公務員の方はどうしてもビジネス観点で考える事ができない人が多い、または、ビジネス観点を証明できる人が少ないです。現職の閉鎖的なルーティンの仕事が嫌になり、「面白そうな仕事」「お客様の喜ぶ事がしたい」「この商品が好きだから」といった理由を話して、面接が通らない方も多いです。
2:副業ができない
公務員の方は、国家公務員法と地方公務員法で副業を禁止されているため、民間の方のようにばれないように副業をするという事よりリスクが非常に大きくなります。以前のブログで経験が大事と話しましたが転職や副業ができないため経験を得るチャンスを作る事が公務員は非常に難しいです。今後、パラレルワーカーが増えてくる世界観の中で副業が難しいというのは大きなマイナスだと思います。
3:情報弱者になる可能性が高い
ルーティンのやらなければいけない業務が主業務のため、新しい知識や経験を取得しなくても継続してできてしまう仕事が多いです(例外はもちろんあります)そのため、情報を積極的に取得する意味が薄くなってしまい、知識・スキルの向上につながらなかったりします。公務員だけではなく、民間の会社でもこのような方は多いですが、より公務員の方が多い印象を受けます。新しい情報自ら取りにいくという行為事態が少なってしまうと、自身の市場価値を理解できずに周囲との温度差を感じたり、ビジネスの世界で頑張っている人と話が合わなくなります。それがまた苦痛となってしまい、さらに新しい知識や経験を遠ざけてしまい、機械のように黙々とただこなすだけの人になってしまう人も多いように感じます。
【2】一方通行の公務員キャリア
細かいリスクを話すとまだまだあるのですが、公務員のキャリアは、
「一度決めたら、後戻りしづらいキャリア」
なのです。
転職や副業がしづらく、また長くいればいるほど、環境に慣れてしまって、その内自分で知識や情報を意識的に取りにいかなくなります。そうなってしまうと、年齢が経った時にさらに転職や副業ができなくなってしまいます。もちろん、全ての公務員の方がこれには当てはまらず、素晴らしい方はたくさんいます。しかし、私が見てきた公務員の方達はこれが多数派かなとも思っております。では、私が素晴らしいと思った公務員の方とそうではない公務員の方の違いはどこにあるのでしょうか?
【3】本当は尊い、公務員
素晴らしいと思った方とそうではない方との違いは、
本当にやりたい仕事が公務員の仕事
と強い気持ちを持って仕事をしているかどうかです。
給料が安定している、土日休みで残業が少ないから、リストラがないから、ノルマ・目標がないから等の保守的な価値観ではなく、この仕事がやりたいと高い意識、向上心を持って取り組んでいる方達です。
この方達は、公務員の仕事に強いコミッメントを持っているので、自発的に考え、自分で行動できます。目標やノルマがなくても、当事者意識高く取り組めているため、手を抜く事はありません。そして、こういう方達はそれぞれの自身の哲学を持っており、何故、この仕事をするのか?という答えを持っています。
公務員の仕事というのは全体の奉仕者であり、仕事は国民や住民のためにあるという本来非常に尊い仕事だと思っています。
それがいつしか安定とか個人のエゴのために働く人が多くなり、いつしかどの仕事よりも評価されづらい仕事になってしまいました。そういう評価になっていく過程で、保守的な公務員だけではなく、全体の奉仕者として哲学をもって生きている尊い人達も評価されなくなっているのも悲しい事です。
保守的な理由で公務員になりたいと思っている方は、
「40年間二度と他のキャリアを歩めないかもしれない」
「意識高く取り組んでいる尊い公務員の方の価値を自分が存在するせいで貶めている」
と思いもう一度キャリアを考えてみてください。
本当に尊い公務員の人達は、そもそも後戻りできないという理由で公務員をやめようなんて決して考えませんから。
もし、ブログをみている方で、このテーマについて話して欲しいという要望があればご意見ください。よろしくお願いいたします。