大切な社員が辞めていくのをもう少し自責で捉えてみませんか?
皆様、こんばんわ
本日は「退職交渉時の上司の言葉」について話したいと思います。
何故、今回この内容で話しをするかというと、最近まで相談にのっていた方が退職を告げた時の上司の言葉があまりにも印象的だったからです。
相談者は住宅メーカーで営業をしていた方でした。その方の支店長が退職交渉時に言った印象的な言葉はこれです。
「もう退職の意思は固いよね!気付けなかった俺が悪いわ!」
この言葉を言える支店長を私は何気にすごい人だと思います。
何故ならば、その人が退職しようとしている事に気付けなかった自分が悪いと認識できているのです。
何がすごいの?と皆さん思われるかもしれませんが、転職活動を終えた退職は、本人の中でもう決めている事なんです。大変な転職活動をやり終えてから伝えるので、これは引き止める事がなかなか出来ません。こんな時に大抵の上司は退職を口にした退職者が悪い前提で話をしています。しかし、問題なのは休みや空き時間を使ってまで転職活動をしている部下の状態に気付けなかった直属の上司です。この方は自分に大きな非があるのを認識してそれを口に出せるのは立派だなと私は思っています。
自責になる事が出来ない上司達は、あの手この手で引き留めに入りますが、正直この時点でもうすでに遅いです。過去に聞いた引き留めの例を何個か紹介します。
ケース① 「実は君には新しいポジションをという話が上がっていたんだが、、、、」
これは多いです。退職を告げると突然浮上するポジション変更やキャリアアップの話。もちろん、この手の話は退職を言うまで全く聞いた事がなく、具体的な時期の話を聞くと、曖昧な返事が返ってきたりします。この話が出てくる時点で、上司は部下のコンディションが把握できていない事が確定されます。何故なら部下のコンディションがわかっているのであれば、事前に退職されないようにこの話が出ている事を直接的でもないにしても伝えるはずです。
ケース② 「一緒に働いている皆に対しての裏切りだ」
この言葉を発する時点で退職の件を自責に捉えられていない上司だと思います。こんな事を言ってまで引き留めたい人材もしくは人手ならば、何故事前に手を打たなかったのでしょうか。それは自身が退職者のコンディションを認識できていなかった事に他ならないです。そして、この発言をする方は普段から日常的に「詰める」を行っており、部下も本心をこの上司に出さなくなっています。これは誰が悪いのでしょうか。
ケース③ 「途中で諦めて逃げるのか?」
スラムダンクの安西先生を思い出しますが過去3ケースほどあった言葉です。この言葉を言う上司がいる会社もしくは部署は特徴があります。業績が悪く、すでに退職者が続出していて人材確保が難しくなっている組織であり、自分が頑張った事によって見える世界に全くワクワクしない組織。正直この言葉に関しては何を話せばいいかわかりません。ゴールは何?かわからないので途中なのかも諦めてるのかも逃げてるのかもわからない状態です。
ここまで、退職交渉時で言われるケースを何個か出しましたが私はただこういった上司を批判したいわけではなく、
辞めてほしくない人が辞めるのは「辞める理由を作ってしまう組織運営層」と「辞めたいと思っている事に気付けない直属の上司」の要因があり、自責の念をもっと持った方が良いという事です。
長く頑張って働いてくれた人を裏切り者や逃亡者にするのでなく、今までの組織のビジョンや戦略、人事設計等やマネジメント方法を自己否定し、アップデートしていってほしいと思います。そうする事によって、その会社は今話題となっているサイボウズ社のような優秀な人材が集まり、長く働ける会社、組織に成長すると思います。
まずは冒頭の住宅メーカーの支店長のように、自責にする事から始めていただきたいです。
次回は、「短期視点が抜けだせない人」という話をしたいと思います。